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2019.01.07

あけましてインディア

Kazuhiro Matsui

Copy Writer
Creative Director

はじめましてですが、
あけましておめでとうございます。

コピーライターとクリエイティブディレクターをやっております、
入社7年目、松井一紘と申します。

本当はこのブログ、テレビの新春番組の収録方式のごとく、
年末なのに、あけまして感で書く予定だったのですが、
入稿の週直前にインフルエンザにかかってしまいまして、
本当に年明けにフレッシュな気持ちでしたためております。
31年間生きて、初めてインフルにかかったのですが、あれ、けっこうキツイです。
症状もわからなかったので自然治癒で乗り切ったのですが、
絶対特効薬をオススメします。

そんなことはさておき、今、大好きなルノアールにてブログを書いておりますが、
みなさまはどんな2018年をお過ごしになられたでしょうか。

「企画業」をなりわいにしている自分にとって、
2018年は「インドに始まり、インドに終わる1年」となってしまいました。
そうです、「ボリウッドの創造性」にやられたのです。

2018年の上半期にしてやられた映画、それは「バーフバリ 王の凱旋」でした。
後々、映画好きの方々にピックアップされて話題になった映画ですが、
当時はあんまり話題にもなっていない単館上映の作品だったのですが、
もう、これが本当にヤバかったんです。


開始直後に本編のストーリーを5分で紹介してしまうという斬新な構成、
王宮の俯瞰カットは、「お金がかかるからいいでしょ」みたいな感覚で、
なんとも言えないミニチュアで済ましちゃう大胆さ、
挙句の果てには、「CGのグリーンバック抜けてないよ!」ってツッコミも
入れさせない展開に、してやられたのでした。


ああ、もう2018年はコレだなぁ、、、と思っていながら肌寒さ募る12月、
またしてもあるインド映画に出会ってしまいました。
そう、「パッドマン 5億人の女性を救った男」という作品です。


インド映画は一般的な映画よりも長いストーリー仕立てなので、
あらすじを見たところ、なんと内容は「生理用ナプキン」の話。
僕は今まで生きてきて、「生理用ナプキン」を題材にした映画なんて観たことが
ありませんでした。(年明けから、なんかすみません。スキップしてください)


具体的な内容はネタバレになるので割愛しますが、これがまたスゴかった。
ナプキンの映画で、僕は2018年史上最も涙を流してしまったのです。


インドでは、古い慣習がいまだに残っていて、女性が生理になると、
家族と一緒に屋内で過ごすことを禁じられ、家のテラスに隔離され、
寝起きしなければならないのです。


愛する妻の理不尽な姿を目にした主人公は一念発起。
生理用ナプキンの普及に命をかけて奔走します。


この内容だけだと、純粋に「いい話」に聞こえちゃいますが、
その間の描き方が、またすごい。


お涙頂戴シーンや真面目なシーンを描きながら、
そこで平気でとぼけたことをやってしまう。
逆に笑いのあるシーンは、真面目に演じ切ってしまう。


視聴者の期待するものに対して、ことごとく裏切りを入れてくるんですよ。
そして、ちゃんとボロボロに泣かせちゃう。


この勇敢なナプキン男「パッドマン」に僕はまんまとしてやられ、
満足感に浸ったまま、インフルエンザにかかって2018年を終えてしまったのでした。


なぜ自分はこの2つのインド映画にやられてしまったのか。


そこには、予定調和を崩す、発想の「意外性」と「裏切り」が潜んでいたからかな、
と思い返しながら分析しています。


「映画」はこうでなければいけない。「展開」はこうつくらなければいけない。
「主人公」はこういう性格でなければいけない。
など、僕たちは暗黙知で、勝手に「枠」を捉えがちな生き物です。


でも、この2つのインド映画にはそういったものが、一切なかった。
「あるある」をついたり、視聴者におもねったりする表現すらも一切ありませんでした。


それこそが、この「ボリウッドの創造性」のすごさ、なのかなと思っています。


今までの「映画観」を崩す、映画をつくろうとチャレンジしている。
ルールからはみ出ても、面白ければそっちの方が「新しいルールじゃん」と言わんばかりに。


「企画業」をなりわいにしている僕にとっても、その考えはとても刺激になります。

TVCMの企画はこうでなければいけない。広告とはこういうものであるべきだ。
そうした暗黙知で積み上がった「ルール」は、本当の「公式」なのだろうか。
もう一度ゼロから考え直してみる必要があると思います。

「広告って、つまんない」と思われているイメージ自体を変えるようなものを
少しでも多く残していかなければ。広告屋の発想や習慣を一回棚に上げて
考え直していかなきゃなと思う今日この頃です。


かなり長くなってしまいましたが、そんな勇気を、
この2本の映画から僕はもらいました。


広告の今までのしきたりを覆す、新しい発想を世に生み出していけたらと思っています。


そんなことはさておき、「バーフバリ」と「パッドマン」だけ観ていただければ、
このブログも往生できる気がするので、ぜひともお時間のあるときに。

次回は、ディレクターの押川恵理子さんです。
いつもわがまま聞いてもらってます。
ピボットが得意みたいです。

オッシー、おねがいしまっす!